看護師国家試験の概要を知っておこう

看護師として医療機関などで働くためには、看護師資格が必要だ。看護師資格を得るには、看護師国家試験に合格しなければならない。受験料は国家試験としてはそれほど高額ではない5,400円で、該当額の収入印紙を購入して受験申込書に添付すれば良い。ただし、看護師国家試験は誰でも受験できるわけではなく、看護系の養成学校を卒業することが条件となる。看護系の養成施設としては大学や短大、専門学校、高校専攻科などさまざまな種類があり、最短でも2年以上通うことが必要だ。

看護師国家試験は毎年2月半ばに1日かけて実施されて7万人ほどが受験するが、受験者のうち約9割が新卒者で残りの約1割が既卒者となっている。全体の合格率は約90%で、新卒者ともなると95%を超えるが、既卒者の合格率は40%に達しないことも多い。試験は5時間20分にわたって実施され、その構成は「必修」が50問、「一般」が130問、「状況設定」が30問だ。必修問題は8割以上の正答が求められるが、一般問題と状況設定問題は明確な基準が示されていない。

例年の実績を分析すると、一般問題と状況設定問題はおよそ6割以上の正解率が合格に必要となるだろう。試験科目については、人体の構造と機能や疾病の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度など医療に関する基礎問題が出題される。そのほか、基礎看護学や精神看護学、小児から老年までの3段階の看護学と母性看護学が含まれるだろう。在宅看護論および看護の総合と実践を併せると、試験科目数は10種類となる。